冷めないうちに

ドイリーのように見えるけど、そうではないアンティーククロス
その昔、調理場とダイニングが遠いような広いお屋敷で、出来立ての温かいパンなどを皿に載せたまま中にいれ、テーブルまで運んだというもの。2重になって縫われ、一方が開いていて袋状になっている。ここに皿ごとサッと入れたようだ。食卓へじゃなくても、今日はご主人様はベッドでお召し上がりになるそうだわ、と、袋を装着、トレイに乗せてベッドルームへ〜、のような。ご主人は冷えたパンはお嫌いだから、とか急いでみたり。まあ、そんな金持ち専用のクロスかどうか知りませんが、ともかくパンが冷めないようにかぶせる(入れる?)ものだということです。一見、私の好みとは違う、乙女な感じだな、と思ったのだけど、付属する逸話が面白かったので連れて帰ってきたのだった。

時代は1900年頃、イギリスでのお品。輪花のようなパステルブルーの褪せた縁取り、手縫いの刺繍。



パンプレートぐらいのサイズ。


このように2重に、袋状。